いつもの事ではありますが、その中でも一番、オチてない自信があります。
テン 「ペットを飼ってみたいんだけど、何かオススメとかない?」
麻呂 「お、それで、"中津のムツゴロウさん"、略して"なむさん" であるオレに相談に来た訳ね」
テン 「神仏に祈らざるを得ない様な二つ名に、一抹の不安が拭えないな」
麻呂 「でも、実際、オレはお前より動物の飼育経験が豊富だぞ」
テン 「まぁ、そうだね」
麻呂 「過去を含めても、イヌとかネコとか心に巣食った悪魔とか飼ってるからな」
テン 「最後のは飼ってちゃダメだろ」
麻呂 「でもな、動物を飼うという事は、命を扱うという事なんだ。
中途半端な気持ちで飼うのは許されないからな」
テン 「うん。そうだね。だから、その辺も含めて相談したい」
麻呂 「オレも、中途半端な気持ちで飼ったばかりに、
心に巣食った悪魔の制御に苦労しているからな」
テン 「いや、そっちの経験談はお願いしてない。
てか、中途半端な気持ちから飼ってたのかよ」
麻呂 「たまに、制御不能に陥って表に出てくる」
テン 「ダメだよ!! ちゃんと制御してくれ」
麻呂 「"キヒヒヒ その落ちてる10円、ネコババしちゃえよ" とか言ってくる」
テン 「スケールの小さい悪魔だ」
麻呂 「"そして、その10円を元手に億万長者になって、面白おかしく人生を謳歌しようぜ"
とか言ってくる」
テン 「ハードルの高い悪魔の囁きだなぁ……」
麻呂 「で、何だっけ? 悪魔の飼い方だっけ?」
テン 「そんな事は一ミリも聞いてない。ペットの飼い方だよ。ボクが聞きたいのは」
麻呂 「悪魔をペットにすればいいじゃん」
テン 「ヤダよ。そんな使い魔みたいなペット」
麻呂 「でも、心に弱い部分を持てば、案外、簡単に飼えるよ」
テン 「弱みに付け込まれてるだけだよ。それ」
麻呂 「でも、迷った時とかアドバイスくれるし」
テン 「華麗なる堕落へのプレリュードだよ。そのアドバイス」
麻呂 「でも、心の中の天使を駆逐してくれたりするし」
テン 「何で悪魔側に属する気満々なんだ。
てか、駆逐されちゃったのか。麻呂さんの中の天使は」
麻呂 「でも、可愛いイタズラとか、たまに仕掛けてくるし」
テン 「小悪魔だ。小悪魔系悪魔だ」
麻呂 「でも、一日2時間のエクササイズで若々しい肉体を手に入れられるし」
テン 「何のアピールだ。それは。既に悪魔の話ですら無くなってるじゃん。
そもそも、一日2時間もエクササイズすれば、大抵は若々しい肉体を手に入れられるだろ」
麻呂 「でも……、でも……」
テン 「さっきから、でもでもって何なんだ。一体」
麻呂 「デーモン……」