Calendar
S M T W T F S
     12
3456789
10111213141516
17181920212223
24252627282930
31      
<< March 2024 >>
PROFILE
SELECTED ENTRIES
RECENT COMMENTS
CATEGORIES
ARCHIVES
LINKS
OTHERS

天国旅行記 二周目

クジャクヤママユガ破砕日記
<< 鹿柴:ろくさい | main | 認める(1):したためる(1) >>
暁闇:ぎょうあん
今までで一番、書いてて楽しかったです。おかげでこんな長さに……。



麻呂 「新しい童話を作ってみた」

テン 「へー。あ、ポテチあるけと食べる?」

麻呂 「何だよ!! もっとオレの童話に興味を持てよ。
    ノリノリで『どんな物語なんだろ? 超気になる〜♪』とか言えよ」


テン 「イヤだよ。童話一つでキャラ崩壊なんてしたくないよ」

麻呂 「いや、そこは、『キャラ崩壊なんてしたくないよ〜♪(ゝω・)v』みたいなノリで」

テン 「分かった。分かりました。
    これ以上はウザいから、その新作の童話を教えて下さい」


麻呂 「全く、素直じゃないな」

テン 「麻呂さんの大切なものが是非とも爆発するように、星に願いを掛けておくわー」

麻呂 「という訳で、黒麻呂作の童話"ヘンゼルとグレーテル 3D" のはじまりはじまり〜」

テン 「待って。何それ? 何が飛び出すの? 3Dって。
    大体、"ヘンゼルとグレーテル" は昔からある童話じゃん。パクリって事じゃん。
    色々とツッコミきれないよ。その童話」


麻呂 「"3D"の部分は、未来感を出す為に最近の映画をリスペクトしただけで、特に意味は無い。
    "ヘンゼルとグレーテル" を下地にした童話だから、タイトルもそうなってるだけ」


テン 「まとめると、オールパクリって事じゃないか」

麻呂 「古典であるヘンゼルとグレーテルに、現代のスパイスを入れたんだよ。
    まぁ、とりあえず、話の内容を聞いてみてよ」


テン 「はぁ……」

麻呂 「ある日、ヘンゼルとグレーテルという兄妹が、色々あって森に置いてけぼりにされましたが、
    偶然、お菓子の家を発見しました」


テン 「はしょりすぎだよ。物語としての流れを大事にしてくれ」

麻呂 「元々、建築に興味のあった兄妹は、お菓子の家の耐震性について調査する事にしました。

    ヘン 『ふーん、このお菓子の家、見た目は美味しそうだけど、壁や柱は乾パン製なのか。
        何というか、チョイスが渋いね』


    グレ 『ついでに言うと、各パーツの接着は水飴みたいね。お兄様。
        一般に流通している糖の融点は摂氏50℃前後だから、
        耐震性云々以前に、ちょっとした猛暑日で崩壊するかもね。ウフフ。楽しみだわ』


    そんな二人の熱心な討論を目にして、出るに出られない魔女」


テン 「なんか、ちょっと良い人っぽいな。魔女。
    あと、グレーテルは、思春期にありがちな破壊衝動をもう少し抑えた方が良いね。
    『ウフフ』じゃねーよ」


麻呂 「そんな中、魔女は、遂に兄妹の前に姿を現す事にしました。
    ところが、その姿を見た二人は、魔女に怯む事なく、逆に嬉しそうな笑顔を浮かべてました。

    ヘン 『ようやく姿を現したな。森の魔女め。
        僕達は教皇庁直属の魔女狩り部隊"グリム"の一員なのさ』


    グレ 『覚悟を決めなさい。この薄汚いメス豚め!!』

    なんということでしょう。二人はむしろ攻勢に出たのです」


テン 「いや待て。おかしい!! 何だ? この展開!!」

麻呂 「すると、兄妹の周囲が輝き出しました。

    ヘン 『初撃で決めるぞ。契約に従い顕現せよ!! 
        我が盾 "天使突抜(ヘンゼル・エンゼル)" !!!!』


    グレ 『黄昏よりも昏きもの 血の流れよりも(後略)
        我が剣 "出灰(グレーテル・グレイ)" !!!!』


    二人は能力を解放し、魔女に向かっていきました」


テン 「童話の概念がことごとく崩れてる!! 何だよ、能力って!!
    大体、二人の能力名、漢字名の方はどっちも大阪の地名じゃん」


麻呂 「最近、読み方を覚えました」

テン 「覚えたての単語を使いたがるとか、中学生かよ」

麻呂 「そして、数十分後、闘いはまだ続いていました」

テン 「初撃で決められなかったのか。ヘンゼル……」

麻呂 「二人は、段々と焦りの色を見せてきました。

    ヘン 『く……、このままでは埒があかない。グレーテル!! あれを頼む!!』

    グレ 『分かりましたわ。お兄様。
        万象一切灰燼と為せ!! 第一の剣撃!!
        "加速粒子砲 ver.α(グレイト・グレイ・レイ)"!!!!』


    その瞬間、森と周囲に存在していた村々は、その歴史に終止符を打ちました」


テン 「強すぎだよ!! グレーテル!!
    というか、加速粒子砲を発動できるって、一体何者? グレーテル」


麻呂 「いや、グレイを召喚してるから……」

テン 「え? もしかして、"グレイ"って宇宙人のグレイ?」

麻呂 「異星の超科学で戦うのがグレーテル」

テン 「もう、何時代が舞台なのかすら分からない童話になってる」

麻呂 「無慈悲に振り下ろされる重厚なるクレイモア。
    しかし、その一撃を喰らいながらも、魔女は無傷で立っていました」


テン 「魔女、強ぇー!!」

麻呂 「魔女は、静かに口を開きました。

     魔女 『威勢の良い事を言っていたから、どんなものかと思ったら、この程度かい?
        まぁ、面白いものを見せてもらったし、お礼にワタシの能力も見せておくかね』


    ヘン 『く……』

     魔女 『水に溺れよ。欲に溺れよ。味に溺れよ。
        出でよ!! "廿山(ウィッチ・ザ・ウェルチ)"!!
        さぁ!! 美味しいウェルチのブドウジュースを存分に食らいな!!』


    そして始まる絶望」


テン 「しょぼっ!! 魔女の能力、しょぼっ!!」

麻呂 「遂に能力を使ってきた魔女。その威力の前に、兄妹は窮地に立たされてしまいました」

テン 「何でだよ」

麻呂 「次々と出てくるウェルチのジュースの前に、二人は平伏するしかありません。

    ヘン 『く……、このままでは、負けてしまう……!!(ゴクゴク)』

    グレ 『お兄様の盾も効かないなんて……(ゴクゴク)』

    ウェルチのジュースって美味しいよね」


テン 「飲んでんじゃねーよ!!」

麻呂 「この窮状の中、ヘンゼルは一つの賭けに出る事にしました。

    ヘン 『仕方ない……(ゴクゴク)
        これだけは使いたくなかったが……(おかわり!!)
        グレーテル、すまない……(ゴクゴク)』


    グレ 『気にしないで。お兄様(グビグビ)
        "アレ" を使うのよね(ゲフー)』


    すると、ヘンゼルは今までに聞いた事の無い呪文を詠唱し始めました」


テン 「良いシーンなんだから、もうちょっと緊張感を持って臨んでくれ。二人とも」

麻呂 「歪む空間。帯電した空気。そして発動する更なる絶望。

    ヘン 『闇の炎に抱かれて消えろ!!
        天使突抜 最終奥義!!
        "自爆(ケルビム・デスボム)"!!』


    そして世界は平和になりましたとさ。めでたしめでたし」


テン 「待てーぃ!! 何だよ。この取っ散らかった上での爆発オチは!!」

麻呂 「いや、ホントはちゃんとストーリーを考えてたんだけど、
    テンシ君のせいで、こんな爆発オチになってしまった。
    全く、どうしてくれるんだ。一体」


テン 「何でボクのせいで爆発オチになるんだよ。麻呂さんの童話じゃん。これ」

麻呂 「いや、そうなんだけどさ。さっきのテンシ君の願いが叶ったんだよ。
    "麻呂さんの大切なものが是非とも爆発するように"って」
| Text | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) |









トラックバック機能は終了しました。